本家トラリピvsマネパ半自動トラリピ、2019/12実績を公開!
管理人のココは、マネースクエアのトラリピでFX投資をしています。
トラリピは、FXの自動売買手法です。一度取引ルールを設定してしまえば、為替の上げ下げを予想する必要がなく、そのルールに従って24時間・自動でココの代わりにトレードしてくれます。一度設定してしまえば、基本的にほったらかしにできるので気に入っています。
しかし、トラリピは設定も設定後も楽ちんではあるものの、通貨ペアにもよりますが、実質的な取引コストは他のFX業者よりも高めの傾向です。
取引コストを下げる方法として、手動トラリピ、半自動トラリピ、MT4+トラリピ系EA、という手法があることを以前記事にしました。
でもあくまで机上の検討結果です。
例えば、半自動トラリピは本当に本家トラリピに比べてコストダウンができ、利益UPの効果があるのか、気になりますよね?
ということで、実際に投資をして検証することにしました。
気になったらやってみないと気がすまないアラフィフです
本記事では、EUR/JPYの通貨ペアで、マネースクエアの提供する本家トラリピと、マネーパートナーズの提供する連続予約注文というサービスを利用した半自動トラリピの2019年12月度の実績を公開します。
比較する通貨ペアはEUR/JPY
比較するのはEUR/JPYです。
なぜならココのトラリピの中で、これまで一番良好な成績を出してくれているのがEUR/JPYだからです。
このEUR/JPYの通貨ペアで、今後、本家トラリピとマネパの半自動トラリピの両方を実際に投資することで、その実績を赤裸々に公開していきたいと思います。
なお「トラリピ」は、マネースクエアの登録商標です。手法自体もマネースクエアが特許を持っています。
本記事で「半自動トラリピ」という言葉は、マネースクエアのトラリピとは直接関係ありません。
本記事では、トラリピ風の半自動の作業で行う方法を称して「半自動トラリピ」と呼ぶことにします。
マネスクとマネパのEUR/JPY取引コスト比較
まず、本家トラリピを提供するマネースクエアと、連続予約注文を有するマネーパートナーズにおける、EUR/JPYの取引コストを比較してみました。
ここでいう取引コストとは、スプレッドとマイナスのスワップです。
まず、スプレッドについてです。スプレッドは、狭い方が望ましいです。
EUR/JPYのスプレッドは、調査時点ではマネースクエアが25銭に対して、マネーパートナーズ(FXnano)は7銭と、マネースクエアの1/3以下でした。
そして、スワップポイントですが、まず売りポジションの場合は、調査時点ではマネースクエアが+5円に対して、マネーパートナーズは+4円と、わずか1円ですがマネースクエアの方が良いスワップポイント条件でした。
次に買いポジションの場合は、調査時点ではマネースクエアが-75円に対して、マネーパートナーズは-25円と、実に3倍差、50円/日/1万通貨でした。
買いポジションがマイナススワップになること自体は、両国の政策金利差によるものだから仕方がないとして(とは言うものの、EUも日本もゼロ金利政策中だけど)、マネースクエアとマネーパートナーズでなぜここまで差がついてしまうのでしょうか、、、
なお、ココはトラリピのEUR/JPYを2019/2にハーフ&ハーフで稼働開始しましたが、その後買いポジションのマイナススワップが大きくなって流石に嫌気がさしたので、2019/12末に買いトラリピを解消して売りトラリピだけに変更しました。
EUR/JPYトラリピの設定
今回の比較をするにあたっては、マネースクエアのトラリピは、現在稼働させている設定をそのままであり、何もいじりません。
マネパの半自動トラリピは、今回の比較実験のためにマネスクのトラリピに準じた設定を行ない、新たに稼働させました。
下の表がその設定です。マネースクエアは上述の通り、現在は買いトラリピは設定していません。
マネーパートナーズは、買いポジションのマイナススワップがマネースクエアの1/3なので許容範囲と考え、買いトラリピ側も設定しています。すなわちハーフ&ハーフの設定としています。
どちらもレンジとトラップ値幅、ねらう利益は同じです。
ただし、本家トラリピ方だけ、本家の特徴である「決済トレール」の機能をONにしています。マネーパートナーズにはその機能はありません。
決済トレールは、為替の値動きがうまくハマれば1回の取引の利益を大幅に伸ばしてくれる可能性のある機能です。反対に裏目に出ることもあります。
決済トレールについては以前、こんなツイートをしました。
CAD/JPYトラリピ
— ココ@プロ専業主婦 (@shufuinvest) September 8, 2019
狙い利益の60pips(決済トレール有)上昇後にトレール発動、
最終的に142.8pip獲得できてた。これはトレールがうまくハマった例。
逆にトレール発動前に反転してしまい、利確の機会損失も起こりうるので手放しでは喜べないが、
決済トレールのメリットを示す一例??#FX #トラリピ pic.twitter.com/qZhVpddDv2
トラリピの設定をチャート図上で示してみると以下となります。
上下限は約20年のスパンのチャートを元に決めています。
現在の為替レートは、ハーフ値付近より少し上、すなわち売りレンジの下限付近より少し上にあります。
もしこのまま為替レートが下がって買いレンジに突入した場合、マネースクエアのトラリピは、新規ポジションがゼロとなるので、開店休業状態となってしまいます。
一方でマネパの方は今のところ買いトラリピも設定しているので、買いレンジに突入しても機会損失はありません。
マネスクとマネパの12月度EUR/JPY実績
12月度の注文は以下の①~⑩の10件の注文がありました。内2件が決済注文です。
当然と言えば当然なんですが、同じ通貨ペアで同じトラップを仕掛けているので、ほぼ同じタイミングで約定されます。
なおマネスクのトラリピはこれまでも続けていたので、①と③の注文はマネパの半自動トラリピを開始する以前から持っていたポジションです。だから、①と③の約定タイミングはマネスクとマネパで全く異なります。
表の見方ですが、③と④は両方とも緑になっていますが、これは一つのIFO注文(この場合は新規買い注文と売りの決済注文)であることを意味します。120円で新規に買い注文を行ない、121円で売り注文決済したということです。
同じく⑧と⑨の紫色が1つのIFO注文に対応しており、こちらは新規で122.4円の売り注文から入り、121.4円で買い注文で決済されたことを示しています。
④の決済で、マネースクエアのスワップが-174円に対し、マネパの半自動トラリピが-9円と差があるように見えますが、これは今回の比較対象とすべきではありません。
なぜなら、前述の通りマネースクエアで③の新規ポジションを持ったタイミングが、マネパで半自動トラリピを始める前であり、このトラップのポジション保有期間がマネースクエアの方が長いためです。
ということで、緑のところはここでは無視して下さい。
次に紫の⑧と⑨ですが、これはどちらもマネパの半自動トラリピ開始後の注文ですので、公平な比較が可能です。
まず、為替差損はマネースクエアのトラリピが999円、マネーパートナーズの半自動トラリピが1,000円でした。
トラリピの方はわずかですがスリッページ(注文と約定のレートがずれること)が発生していたようです。
また、スワップについては、マネースクエアが+5円、マネパの方が+2円ついていました。
⑧→⑨の1連の取引については、マネスクが1,004円の利益、マネパが1,002円の利益だったことになります。
今回は初月度であり、またそもそも取引回数が少なく、データとして扱えるのがこの⑧→⑨の取引1回だけでした。
だからこのデータだけで白黒つけることはできませんが、この取引に限って言えば、トラリピの方がわずか2円ではあるものの、好成績であったということです。
この実験は、投資資金が2倍必要で、EUR/JPY偏重ぎみになってしまうのが難点ですが、気が変わらない限りは今後も両方の取引を継続し、更にデータを取っていきたいと思います。
スプレッドの差がトラリピに及ぼす影響の考察
実は本記事で一番いいたいことはここからです!
この表を約定日時で比較してみると、ちょっとおもしろいことがわかります。
比較対象外の①と③の注文と、マネスクの方で決済トレールが機能する④と⑨を除いた②⑤⑥⑦⑧⑩の、6つの新規注文について、マネパの方がマネスクよりも少し早いタイミングで約定していることがわかります。
マネパとマネスクの約定時間の差分は、たかだか1分後から長くても27分後でした。
どうせ注文されるんだから、一緒でしょ? と思うけど、実はこれはなかなか興味深いデータなのです。この差は、両社のスプレッドの違いに起因しているものです。
まずおさらいです。
スプレッドとは、以下のように、買値(ASK)と売値(BID)の差のことです。
為替レートは、本来一つの通貨ペアに対し1つだけの値しかないものです。
でも、為替取引業者の取引コスト(=スプレッド)が生じるため、実際には買値と売り値の2つの為替レートが存在しています。
このスプレッドがあることによって、以下の図のように、例えば為替レートが100円の時になったら決済されるような指値注文をする場合、買い指値100円と売り指値100円では、注文が執行されるタイミングが異なります。
次に、スプレッドが違う場合の決済のタイミングを見てみましょう。下の図は、上がスプレッドが狭い場合、下がスプレッドが広い場合です。
説明を簡単にするために、この図では売り指値100円の注文が決済されるタイミングを図示しています。
スプレッドが広い方が決済が遅いね
決済のタイミングがずれること自体は大きな問題ではないです。
むしろここから話することが、利益に直結しうる大事なポイントだと思っています。
次の図を見て下さい。
先ほどのは少し異なる為替の値動きの場合です。上の図がスプレッドが狭い場合で、下の図がスプレッドが広い場合です。
この図は、指値付近で為替の値動きが反転した場合の例です。
スプレッドが狭い場合は、指値にタッチしたので、注文は執行(約定)されます。
スプレッドが広い場合は、わずかの差で指値にタッチすることができず、注文は執行されません。
もしこのまま為替レートが下がってIFOの決済注文レート(買い指値)に到達した場合、売りの新規注文が執行されている場合は、決済されて利益になります。
しかし、スプレッドが広くて新規売り注文が執行されなかった場合は、為替レートが下がっても当然ながら利益にはなりません。
利益1回分損するってことね
こういったケースが実際にどの程度起こるかはわかりません。
発生頻度は不明ですが、スプレッドが広いとこういった機会損失につながる可能性があるということです。
12月度はそういったことは起こっていませんでしたが、今後そういったデータも取っていけると面白いかなと思いました。
いずれにしても、白黒つけるにはデータが少なすぎるので、結論を出すにはもっと時間と取引回数が必要です。
トラリピはもともと長期でするものだしね