投資の始めの第一歩を踏み出したい方に、わかりやすく説明するシリーズ 第6話
当記事はシリーズものです。本シリーズ(投資の第一歩)の全体像はコチラ
この第6話と次の第7話では投資信託について解説します。
第6話(前編)は、まず、投資信託とは何かを解説します。そして、なぜ、投資初心者がNISA口座で投資信託がおすすめなのかを解説します。
第7話(後編)では、ココがイチオシの投資信託を具体的に紹介します。
第1話 と第2話 では、投資をする消極的理由と積極的理由を、
第3話 では、NISA口座について、
第4話 では、NISAを始めるまえの心構えについて、
第5話 では、NISA口座用のおすすめの証券会社、
について、それぞれ説明しました。
忘れてしまったら戻って復習してね
この第6話では、投資初心者でもわかるように、投資信託とはどういうものなのか解説します。
「投資信託って何?」
「株とは何が違うの?」
こういった疑問に答えていきます。
本シリーズの対象者
- 資産運用(投資)をしたことが無い方
- 資産運用(投資)に興味があるけど、何から手を付けたら良いのかわからない方
シリーズの一番最初の記事 から順に読んでもらえれば、投資を始めるのに必要な知識が身につくと思います。
投資信託とは?
本記事のテーマは、ずばり、投資信託とは?です。
NISA口座を開設したら、いよいよ投資の実践編です。
でもいったい何を買ったらいいのか、分かりませんよね。
結論から述べると、投資初心者は、つみたてNISA口座で、投資信託を毎月積み立て購入することから始めるのが良いと思います。
なぜ投資初心者には投資信託の積み立て投資が最強なのか、これから説明していきますね。
投資信託とは
こちらは、投資信託のイメージ図です。
投資信託とは、投資家からお金を集め、集めたお金を元手に、運用のプロ(ファンドマネージャー)が、株式や債券などに投資して運用をします。
そして、その運用成果である利益を、投資家に還元する仕組みの金融商品です。
みんなのお金をかき集めて、運用のプロにお金を預けて、儲かったらそれを山分けする仕組みだね
個別株と投資信託の違い
投資信託を別の角度からも理解しておきましょう。
皆さんは、投資って聞くと、まず最初に「株」を連想しませんか?
トヨタ自動車の株とか、ファーストリテイリングの株とかのことです。
このような会社の株のことを、個別株といいます。
一方で、投資信託(ファンドとも呼ばれます)は、個別株とは似て非なるものです。
投資信託は、投資初心者に限らず、投資上級者も活用している、とても優れた商品形態です。
正しい投資信託投資を実践できたら、もう勝ち組です
第3話 では、NISAには、一般NISAとつみたてNISAの2つの口座があると説明しました(ジュニアNISAは除く)。
一般NISA口座では、個別株と投資信託の両方を購入できます。でも、つみたてNISA口座は、一部の厳選された投資信託(とそれに似たETFと呼ばれる商品)しか購入できません。
これだけ聞くと、つみたてNISAは、自由度が無くて不便なように聞こえますが、逆に言うと、国がお墨付きの厳選された商品しか選べないので、むしろ、投資初心者にとっては安心です。
なぜなら、投資あるあるで、一番避けなければいけない、(ボッタクリ商品をつかまされることが無いからです。
個別株に投資する場合と、投資信託に投資する場合の違いのうち、これだけは覚えておきたいことを表にまとめました。
順に説明をしていきます。
投資に必要なお金
まず、個別株と投資信託に投資をするのに必要なお金が違います。
個別株の場合は、投資に必要なお金は、購入する株価に左右されます。
例えば、〇〇商事の株価が3000円で、1単位あたり100株から購入可能な場合は、最低でも、3000円☓100株=30万円が必要となります。
手元に15万円しかないので、0.5単位だけ購入するということは基本できません。
※ミニ株と呼ばれる制度がありますが、投資初心者に進められるものではないので、ここでは触れません。
一方、投資信託の場合は、そのような縛りはありません。投資信託Aという商品があるとすると、投資信託Aを1000円分購入とか、500円分購入というように、希望の金額を指定できます。
これは、投資初心者にとってわかりやすい仕組みだと思います。
なぜなら、1000円貯金、500円貯金と同じ様な感覚で、1000円分投資、500円分投資、ということができるからです。
そして、証券会社にもよりますが、投資信託は、なんと100円から購入できます。
まとまったお金を用意しなくても投資はできます!
具体的には、第5話 で紹介した、楽天証券 、SBI証券 では、NISA口座で100円から投資信託の購入が可能です。
分散投資
投資をする上で重要なことの1つは、いかにして「リスクを軽減するか」です。
そして、リスクを軽減するための方法の1つが分散投資です。
※少し難しい話なのでここで詳細は述べませんが、投資の世界の「リスク」という言葉は、「危険」という意味ではありません。「価格の振れ幅」のことです。
分散投資のテクニックはいくつかありますが、1つ例を挙げます。
下図のように、投資資金が100万円あったとして、
・A社の株に100万円全額を投資
・A~D社の4社に25万円ずつ分散して投資
する場合を考えてみましょう。
A社が順調に業績を伸ばした場合は、A社に100万円全額投資していると、一攫千金で大きな利益を得ることができるかもしれません。
でももしA社が不祥事等で倒産してしまったら、100万円はパァになってしまいます。
もし、A~D社の4社に25万円ずつ投資をしていたら、A社が倒産してしまっても、B~Cも同時に倒産してしまわない限り、ゼロになってしまうことはありません。
将来B~C社の業績が伸びて株価も伸びていけば、ちゃんと投資で利益をだすことができます。
分散投資とはこういうことです。
個別株で分散投資をする場合は、たくさんの会社の株をバランス良く保有する必要があります。
でも、投資に必要なお金の項で説明したように、そもそも個別株を購入するには、それなりにまとまったお金が必要です。分散投資するとなると、それが複数分必要です。
加えて、どの会社を選べばバランス良く分散できるか判断するなんて、投資初心者にはハードルが高すぎます。
ココもできません
今の時点では、投資とは、投資商品を1点買いするのではなく、「複数に分けて購入」するという、分散投資テクニックがある、ということを覚えておきましょう。
※時間分散というテクニックもありますが、ここでは説明を割愛します。
そして、この「複数に分けて購入する」と「投資信託」は、非常に相性がいいのです。
なぜなら、投資信託という商品は、様々な金融商品をつめあわせパッケージだからです。
なので、投資信託を購入するということ自体が、分散投資をしていることになります。
ちょっと強引だけど、主婦目線で、個別株と投資信託の違いを以下のようにイメージしてみました。
個別株は、一品物。切り身では買えず、一匹まるまるでしか購入できません。
投資信託は、具材が盛りだくさんのおかずを、グラム単位で購入できるイメージね
運用
個別株の場合、どの株を買うのか/売るのか、どのタイミングで買うのか/売るのかは、完全に投資家の裁量(自分の考えで判断し対応すること)となります。
投資信託は、商品毎に投資ルール(投資対象や運用方針)が決められています。そのルールは、投資信託の目論見書(投資信託の説明書のようなもの)に明記されています。
運用のプロは、好き勝手に投資をするのではなく、その投資ルールに従って、私たちの代わりに資産運用をしてくれます。
ただし、運用のプロがやってくれるから、かならず儲かるわけでもなく、安心できるわけでは無いことに注意して下さい。
投資信託には大きく、インデックス型とアクティブ型の2つがあります。
株式市場には、日経平均やダウ平均のような「指数」と呼ばれる値が存在します。
それらの指数に連動することを目指すものを、インデックス型の投資信託と呼びます。
そして、指数よりも大きなリターンを目指すものを、アクティブ型の投資信託と呼びます。
じゃあ、当然アクティブ型の方がいいよね? リターン大きいし、と思われるかもしれませんが、あくまで「目指す」だけ実際に上回ることができるかどうかは別問題です。
世の中には、指数を上回るリターンを上げている素晴らしいアクティブ型の投資信託がありますが、実はその割合は多くはありません。指数に負けている方が多いのが実情です。
運用のプロでも指数に勝てるという保証は無い
ココのおすすめは、アクティブ型ではなく、インデックス型です。
アクティブ型にもいくつかは、いい商品はありますが、多くは、"イケてない"商品です。
そしてインデックス型でも、指数自体が長期で上がっていくものをちゃんと選定すれば、しっかりと利益が出ることは歴史が証明しています。そして何よりも後述する運用コストが安いことです。
運用コスト
投資商品を選ぶ時は、その運用コストは大いに気にしましょう。
通常、個別株や投資信託を売買する場合は売買手数料がかかります。
ただし、楽天証券やSBI証券をはじめとするいくつかの証券会社は、NISA口座での株や投資信託の売買手数料はゼロ円です。
個別株の場合は、銘柄を選ぶのも売買するのも全部自分自身でやるので、手数料≒保有コストはかかりません(信用取引を除く)。
一方、投資信託は、保有している間にかかる保有コスト(信託報酬、運用管理費用と呼ばれます)がかかります。
そして、投資信託の信託報酬は、基本的に、インデックス型の方が安く、アクティブ型の方が高い傾向があります。
例えば、投資信託Aと投資信託Bの2つの商品で信託報酬が1%違ったとします。1%ってわずかじゃん?と思うかもしれませんが、保有している限り毎年のしかかる費用です
つまり、10年保有すれば10%、20年保有すれば20%の差が開きます。
NISAは長期保有が前提なので、商品を選ぶ際に運用コストに注意して選ぶことが大事です。
次の第7話では、インデックス型の投資信託で、長期で上昇が期待でき、しかも運用コストが安い商品を紹介します。
ココのつみたてNISAでは、運用コストの安いインデックス型を選んでいます
タイムリーな売買
株価は、刻々と変化します。秒単位で。個別株を売買する時は、売買のタイミングが重要になる時もあります。
一方で、投資信託の価格(基準価格といいます)は、秒刻みでは変化せず、1日に1価格だけです。
朝買おうが、昼買おうが基準価格は同じです。
そして、つみたてNISAの場合は、そもそも投資信託をいつ買うということを気にする必要すらありません。
具体的につみたてNISAで投資信託を購入する場合のイメージを説明すると、例えば、毎月5日に1万円分購入する、というふうに、予めルール(どの投資信託を購入するか、何日に購入するか、購入金額はいくらか)を決めておくことができます。
あとは、そのルールに従って毎月たんたんと投資信託が購入されていきます。
なお、投資信託の価格(基準価格)を気にする必要はありません。なぜなら、基準価格に関係なく、購入額をルールで決めているので、基準価格が安くなっている場合は沢山買い込むことができ、逆に基準価格が高くなっている時は、買い渋って少なく仕込むことになるからです。
基準価格が下がったら、沢山仕込めるチャンスだと思いましょう
以上、個別株との違いに着目して、投資信託を解説しました。
念のためですが、個別株投資が悪いわけではなく、メリットも沢山あります。運用コストはかからないし、自分の応援したい企業の株を保有できるし、株主優待がもらえる場合もあります。
でも、投資初心者がいきなり個別株から始めるのはやはりハードルが高すぎます。まずは投資信託から始めてみて、投資のことを理解してから次のステップとして個別株投資を始めても遅くはありません。
以上、投資信託とはどういうものなのか、開設してみました。
いかがでしたでしょうか?
積み立てNISAで選ぶことのできる投資信託商品は約180本あります。
次回は、この中から、ココおすすめの投資信託商品を紹介します。
おたのしみに~
本記事のポイント
最後に本記事のポイントのまとめです。
投資信託は、
・100円から購入可能
・分散投資効果がある
・運用コストがかかる
・低コストなインデックス型がおすすめ