投資の始めの第一歩を踏み出したい方に、わかりやすく説明するシリーズ 第7話
当記事はシリーズものです。
第1~6話をまだ読んでいない、もしくは忘れてしまった方は、本シリーズの全体像を御覧ください→コチラ
この第7話では、ココがおすすめの投資信託を紹介します。
第6話(前編)は、投資信託とは何かを解説しましたね。
そして投資初心者は、つみたてNISA口座で、インデックス型の投資信託商品から初めてみることをおすすめしました。
第7話(後編)では、ココがイチオシの投資信託商品を具体的に紹介します。
「投資信託が多すぎて何を買ったらいいかさっぱりわからないんだけど?」
「何に気をつけて選んだら良いの?」
こういった疑問に答えていきます。
本シリーズの対象者
- 資産運用(投資)をしたことが無い方
- 資産運用(投資)に興味があるけど、何から手を付けたら良いのかわからない方
シリーズの一番最初の記事 から順に読んでもらえれば、投資を始めるのに必要な知識が身につくと思います。
- 本シリーズの対象者
- つみたてNISA口座でオススメの投資信託
- こんな投資信託は初心者は買ってはいけない
- 本記事のポイント
つみたてNISA口座でオススメの投資信託
つみたてNISA口座で選べる商品は、金融庁のお墨付きの厳選されたものですが、約180本もあります。
180本の中から選べっていうの?
どういう基準で選んだらいいの?
ちょっとハードル高いですよね。
本記事では、ココが厳選した、つみたて投資用おすすめの投資信託を紹介します。
ただし、投資商品に限らず、他の商品でもそうであるように、他人のおすすめはその人の主観的なものであり、誰にでもピッタリ合うものはありません。
そこで、いくつかのタイプ別に分けてご紹介しますので、自分はこのタイプだなぁというものを選んでみて下さい。
投資は自分の大事なお金です。人の意見は参考にしつつも、ちゃんと自分で納得できるもののみをチョイスしましょう。
なお、今回おすすめする投資信託は、ココが使っている楽天証券のつみたてNISAの口座で選べるものばかりです。
楽天証券でなくても、本記事でピックアップしたほとんどの投資信託は、SBI証券や他の証券会社でも選べると思います。
投資信託を選ぶ時は、この3点をチェック!
投資信託を選ぶ時に最低限チェックすべきことは、以下の3点です。
①運用方針
どんな投資成果を目指して運用を行っているのか、どこの何に投資するのか
日本株型なのか、外国株型なのか、どんな指標に連動することを目指しているのか、毎月分配金を出すのか、などをチェックしましょう。
後で例として5タイプ紹介するよ
②純資産総額
投資信託の規模を表し、投資家からどれだけ多くのお金を預かっているかという額です。
人気のバロメータにもなるね
純資産総額は、大きいに越したことはないです。目安は100億円以上です。
あまりに規模が小さい投資信託は、繰り上げ償還(運用が途中で中止)されてしまう可能性があります。
売れないマンガ家の連載中止みたいにね
③信託報酬
信じて託すための手数料(コスト)です。当然低い方がいいです。
持ってる限り毎年掛かる費用です
最低限この3つは抑えておきましょう。3つのチェックポイントはOKですか?では、早速紹介してきます。
タイプ別、ココおすすめの投資信託
今回おすすめする投資信託を、5つのタイプに分けました。
各タイプ毎に、ココが2つの投資信託商品を厳選してみました。
この中で、「うんうん、なんかそんな気がする」と思うタイプが、きっとあなたに合う投資信託でしょう。
なお、以下で出てくるデータは、執筆時点のものです。
アメリカ経済の成長を信じる人向けの投資信託
アメリカって、なんだかんだ言って、世界の中心じゃん。国もでかいし、人口も増えてるし、AppleとかAmazonとか、大きな会社もあるし。
だから、今後もアメリカの経済は伸びるんじゃないかなぁ、と思う方は、アメリカに投資するタイプの投資信託がおすすめです。
このタイプのココのおすすめはこちらの2点です。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
運用方針
アメリカを代表する上場企業500銘柄の株価をもとに算出される株価指数(S&P500)に連動する投資成果を目指すファンドです。
純資産総額
2000億円オーバーの超大型投資信託です。
信託報酬
0.1%を切っていて、投資信託の中でも、超低コストの代表格です。
楽天証券の積み立て設定ランキング1位
King of 優良投資信託
楽天VTI
運用方針
アメリカのETF(上場投資信託)のVTIに連動する投資成果を目指すファンドです。アメリカの約4000社をカバー。通称楽天VTI。
純資産総額
1700億円オーバーの超大型投資信託です。
信託報酬
0.162%は、投資信託の中でも低コストの部類です。
楽天証券の積み立て設定ランキング3位
ココはつみたてNISAで買ってるよ
さて、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と楽天VTI、どちらを選べばいいでしょう?
結論から言うと、長期投資するならどちらでもそれほど成績に差はつかないかと思うので、どちらでもいいかと思います。決められないなら半分ずつ、両方買うのもアリです。
それでも、違いが気になる、という方に、もうちょっと踏み込んで違いを説明します。以下の図が、それぞれの投資信託の投資対象エリアです。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が、アメリカの大手企業500社を投資対象としているのに対し、楽天VTIは、アメリカの会社約4000社を投資対象としています。
大企業にしぼりたい人は前者、とりあえず全部買いの人は後者ですね。
でも、下に示す直近のチャートで見る限りでは、成績はほぼ同じです。
世界経済の成長を信じる人向けの投資信託
アメリカだけに投資対象しぼっちゃって本当に大丈夫なの? 人類の英知で世界全体の経済は成長するでしょ、とか、どこかの国や地域に絞ってしまって、取りこぼすなんて嫌!!。
と思う方は、全世界に投資するタイプの投資信託がおすすめです。
このタイプのココのおすすめはこちらの2点です。
eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)
運用方針
先進国と新興国を含む49カ国の株を代表する株式指標(MSCI ACWI)に連動する投資成果を目指すファンドです。通称オルカン。
純資産総額
700億円オーバーの大型投資信託です。
信託報酬
0.1144%は、投資信託の中でも、かなり低コストの部類です。
楽天証券の積み立て設定ランキング2位
迷ったらコレ。全部入りで大人気!
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
運用方針
先進国と新興国を含む48カ国(ただし、日本を除く)の株を代表する株式指標(MSCI KOKUSAI及びEM)に連動する投資成果を目指すファンドです。上のオルカンから日本を除いたものです。
純資産総額
300億円オーバーは十分大きな規模です。
信託報酬
0.1144%は、投資信託の中でも、かなり低コストの部類です。
楽天証券の積み立て設定ランキング10位
日本の投資は、別口で自分でできる人向け
さて、全世界の「オルカン」と「日本を除く」、どちらがいいのでしょうか。これはどちらでもスキな方でOKです。
2つの構成比率の違いはこちらです。オルカンには日本が7.5%分含まれています。一方、「日本を除く」は日本が含まれていない分、他の割合が少し増えています。
で、直近の成績はこちら。ほとんど差はありませんね。
先進国経済の成長を信じる人向けの投資信託
世界中に分散投資っていっても、経済を牽引するのは、先進国じゃないの?だったら全世界に投資しなくても、投資先は先進国だけに絞ってもいいんじゃないかなぁ、
と思う方は、先進国に投資するタイプの投資信託がおすすめです。
このタイプのココのおすすめはこちらの2点です。
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
運用方針
日本を除く主要先進国の株式を代表する、株式指標(MSCI KOKUSAI)に連動する投資成果を目指すファンドです。
純資産総額
約1500億円の超大型投資信託です。
信託報酬
0.1023%は、投資信託の中でも、超低コストの代表格です。
楽天証券の積み立て設定ランキング4位
ココはつみたてNISAで購入しています
ニッセイ外国株式インデックスファンド
運用方針
日本を除く主要先進国の株式を代表する、株式指標(MSCI KOKUSAI)に連動する投資成果を目指すファンドです。
純資産総額
2000億円オーバーの超大型投資信託です。
信託報酬
0.1023%は、投資信託の中でも、超低コストの代表格です。
楽天証券の積み立て設定ランキング9位
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスと中身はほぼ同じです
2つ紹介したものの、中身は実質ほぼ同じです。信託報酬も全く同じなので、どちらを選んでも結果も同じようになるでしょう。
さて、全世界に投資するのと、先進国に絞って投資する場合では、具体的に何が異なるか見てみましょう。
まずは先程紹介した、eMAXIS Slim全世界株式(日本を除く)と、eMAXIS Slim先進国株式インデックスの構成比率の違いはこちらです。
どちらも似たようなものです。アメリカが6-7割を締めていますね。
そしてその成績ですが、構成が似ているので、この通り、直近の成績も似たようなものになっています。
日本経済の成長を信じる人向けの投資信託
アメリカとか世界とか先進国って言われてもよくわかんない、日本人なんだから投資対象は身近な日本にしぼりたい、と思う方は、日本に限定して投資するタイプの投資信託がおすすめです。
ココ自身は、今は昔と違って、世界中に簡単に投資できる環境にあるので、投資対象を日本だけに限定してしまうのはもったいないと思います。
とはいえ、自分がよくわからならいものに投資するはおすすめできません。もし外国に投資することに少し抵抗があるなら、外国:日本=5:5という風に購入することを考えてみてもいいでしょう。
このタイプのココのおすすめはこちらの2点です。
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
運用方針
日本の株式市場(東証株価指数(TOPIX)の値動きに連動する投資成果を目指すファンドです。
純資産総額
250億円オーバーの中型投資信託です。
信託報酬
0.154%は、投資信託の中でも低コストの部類です。
楽天証券の積み立て設定ランキング14位
ココがもし購入するなら全体の20%ぐらいかな
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)
運用方針
日本の株式市場(日経平均:日経225)の値動きに連動する投資成果を目指すファンドです。
純資産総額
64億円は小さくはないけど大型ではありません。
信託報酬
0.154%は、投資信託の中でも低コストの部類です。
楽天証券の積み立て設定ランキング29位
ココは、TOPIX連動より日経平均連動が好み
TOPIX連動タイプ(東証一部上場の2172銘柄)と、日経平均連動タイプ(225銘柄)のどちらが良いのでしょうか。
直近では日経平均連動タイプの方が成績が良いようです。
TOPIXの方がより多くの銘柄に分散できるというメリットがある一方で、東証1部にはダメな企業もあり、それに足を引っ張られているのが理由の一つだと思います。
逆に言うと、日経225に採用されている銘柄は、日本を代表する大企業が多く、業績が良い会社の割合が多いということもあると思います。
何事もバランスが大事だと思う人向けの投資信託
外国?国内?株式?債権?そんなの、将来何が良くて何が悪いかかなんて誰もわからないんだから、バランス良く均等に持っていたらいいんじゃないの、と思う方は、バランスタイプの投資信託がおすすめです。
このタイプのココのおすすめはこちらの2点です。
たわらノーロードバランス(8資産均等型)
運用方針
日本、先進国、新興国の株式、公社債および不動産に投資し、各資産の指数を8均等比率した合成ベンチマークに連動する投資成果を目指すファンドです。
純資産総額
約137億円の中型投資信託です。
信託報酬
0.154%は、投資信託の中でも低コストの部類です。
楽天証券の積み立て設定ランキング116位
8資産バランス型の中では低コスト。でも最近次に紹介するeMAXIS Slimバランス (8資産均等型)がコストを下げて、コスト面で不利になってしまいました。
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)
運用方針
日本、先進国、新興国の株式、公社債および不動産に投資し、各資産の指数を8均等比率した合成ベンチマークに連動する投資成果を目指すファンドです。
純資産総額
700億円オーバーは大型の投資信託です。
信託報酬
0.1023%は、投資信託の中でもかなり低コストの部類です。
楽天証券の積み立て設定ランキング8位
数多くある8資産バランス型の商品の中で、最も低コスト。
ここで、2つのバランス型投資信託の構成を比較してみましょう。8資産の項目は同じで、8項目☓12.5%=100%となるように、バランスを保つように運用してくれます。
違う会社から出ている投資信託なのに、円グラフの色まで酷似!
ということは、成績だってこの通り
8資産バランス型は、8タイプの投資商品が均等となるように調整してくれるので、上で紹介したものと比較して、穏やかな値動きをする傾向があることが特徴です。
以上、5つのタイプ別に分類して、それぞれのタイプでココが良いと思うものに厳選して紹介しました。
投資信託は、1本でも分散効果があるので、これだ!と思ったものを1つだけを選んでも構いません。なかなか1本には絞り込めないという人は無理に1本に絞り込まずに、2つ3つ選んで均等割りするのもいいでしょう。
ココは、アメリカ型と先進国型の2本を半々で積み立てています
参考までに、楽天証券のつみたてNISA口座の設定はこちらです。
中途半端な端数なのは、
年間40万円が12で割り切れないため・・・
信託報酬に関する補足
この項は、信託報酬についてちょっと込み入ったことを書いています。これから投資を始める人にはあまり重要なことでは無いと思っていますが、コストに関わるところなので、一応記載しておきます。
これまでに説明してきた信託報酬には、実は名目信託報酬と、実質信託報酬という2つがあり、上で紹介したのは名目信託報酬の方です。
名目信託報酬とは、最低限これだけかかる見込みですよ、というコストです。実質信託報酬とは、実際に運用してみたら、これだけかかちゃいました(テヘペロ)という費用です。
この2つの信託報酬はイコールではなく、実質信託報酬=名目信託報酬+α(隠れコスト)となります。
投資の損益(成績)に直結するのは、実際に負担した実質信託報酬の方です。
でも、上記で紹介した投資信託に限っては、投資をこれから始める段階で、あまり気にしなくてもいいと思っています。
その理由は、もともと投資信託の中でもかなり低コストのものを厳選しているからです。
一番高いものでも0.1%台です。0.1%が0.2%になったところで、その商品の優位性は変わらないからです。
もう一つの理由は、楽天証券で楽天カード払いで積み立てる場合は、ポイントバックが1%分あります。これは、保有期間の6-10年分に相当します。
そう考えると、紹介した商品において、隠れコストは些細なものです。
こんな投資信託は初心者は買ってはいけない
最後に、こんな投資信託は初心者は手をだしてはいけない、というものを紹介します(笑)。
いえ、笑い話ではなく、結構おおマジメに紹介します。
NISA口座に「つみたてNISA」を選んだ方は、ご安心下さい。これから紹介するものは、「つみたてNISA」の口座では、そもそも選べない(金融庁のお墨み付きでない)ので、心配無用です。
「一般NISA」口座を選ばれた方は、購入できてしまいますが、こんな投資信託は選ばないで下さいね。
とにかく以下の2つは避けましょう。見つけたら全力で逃げて下さい!
・購入時手数料あり
・毎月分配型
ちょっとオブラートに包みつつ紹介します。
[NG]資産モンスター級の投資信託
運用方針
高配当株に投資し、毎月分配型のアクティブ型ファンドです。
純資産総額
9600億円オーバーは超超大型の投資信託です。
信託報酬
1.81%は、投資信託の中でも高コストの部類です。
毎月分配型を完全否定するつもりはありませんが、選んでも良いのは、リタイア後の方ぐらいです。
信託報酬は1.8%です。ココが上で紹介したものより、10倍~20倍高いです。
[NG]有名な投資顧問会社の投資信託
運用方針
デリバティブ取引を含むオルタナティブ型のアクティブ型ファンドです。
純資産総額
1300億円オーバーは超大型の投資信託です。
信託報酬
2.00%は、投資信託の中でも高コストの部類です。
大手の投資顧問会社の投資信託だから安心とか思わないで下さい。「デリバティブ取引」がわからない人は絶対買ってはダメです。
信託報酬はなんと2%です。ここまで読んでいただいた方は、これが如何に高いか理解できますよね。
これらの投資信託は良く売れていますが、
よく売れている=良い投資信託というわけではありません
投資は自己責任なので、自分でちゃんと理解した上で、これらの商品を買っているなら問題ありません。でも、中には窓口販売で、勧められるがままに、高コストな商品を掴まされた人もいるんじゃないでしょうか。
こちらのツイッター、なかなか闇が深そうで・・・でも、この記事を読んで頂いた方はもう心配ありませんね。
【衝撃と畏怖】
— りんり@バンガードS&P500ETF(VOO) (@SandP500ETF) January 16, 2021
これが青森県民の一般的な資産運用状況だ!
(えげつねぇな)https://t.co/jpAZBo51dM
1~5位、すべて信託報酬1%以上!
中には2%以上のものも!!
以上、今回は、ココがおすすめする投資信託と、買ってはいけない投資信託の例を紹介しました。
いかがでしたでしょうか?
次回は最終話、「投資初心者あるあるFAQ」です
おたのしみに~
本記事のポイント
最後に本記事のポイントのまとめです。
・5つのタイプから、自分に合うと思うものを1つ~3つ選ぼう
・確認すべきは、運用方針、純資産額、信託報酬の3つ
・一般NISAを口座の場合、購入手数料がかかるもの、毎月分配型は選ばないこと