投資の始めの第一歩を踏み出した方が、第2歩目を踏み出すために、わかりやすく説明するシリーズ 第1話
当記事はシリーズものです。本シリーズ(続・はじめての投資)の全体像はコチラ
「投資したことない、投資には興味があるけど、何から手を付けたらいいのかわからない」「投資なんて私にはハードル高そう」と思う方は、本シリーズの前作であるこちらのシリーズからお読み頂けると、わかりやすいです。
第1話は、ドルコスト平均法について解説します。
投資について自分でいろいろ調べるようになると、「ドルコスト平均法」がいいよ、と目にすることがあります。それって本当でしょうか?
そもそもドルコスト平均法って何なのでしょうか?
そもそもドルコスト平均法って何?
ドルコスト平均法のメリットは?
デメリットはないの?
こういった疑問に答えていきます。
本シリーズの対象者
- 資産運用(投資)に興味がある方
- 資産運用(投資)をし始めたばかりの方
本シリーズの一番最初の記事 から順に読んでもらえれば、ドルコスト平均法がバッチリ理解できると思います。
本記事のテーマ
本記事のテーマは、ドルコスト平均法 です。
投資を始めてみたばかりという方も、どこかで「ドルコスト平均法」って聞いたことがありませんか?
さて、当たり前すぎて恐縮ですが、投資で儲けるためには、、、それは「安い時に買って、高い時に売る」ことです。
何ソレ、あたりまえじゃん
その当たりまえを実践するための縁の下の力持ちが、ドルコスト平均法です。
ドルコスト平均法は、まさに「安い時にたくさん買う」を目指した投資手法だからです。
投資は、
安い時に買う、
高い時に売る
誤解の無いように初めに言いますが、「ドルコスト平均法」は、決してベストな投資手法ではありません。
でも、多くの人にとってはベターな投資手法です。
なので、投資初心者は、「ドルコスト平均法」を正しく理解し、そのメリットとデメリットを把握しておけば、とても強力な武器になりますよ。
Let's study♪
ドルコスト平均法ってなに?
まず、「ドルコスト平均法」の名前の由来について説明します。
ドルコスト平均法の名前の由来
ドルコスト平均法っていうぐらいだから、ドル建ての取引とか、海外の株や為替の取引のことよね?日本株しか買わない私には関係ないわ!、と思われる方、
「ドルコスト平均法」を区切るとすると「ドル\コスト平均法」です。
もともとアメリカ由来の言葉なので、米国通貨のドルが、頭文字についているだけです。
なので、文頭の「ドル」の部分は重要ではありません。
日本円でも英ポンドでも、通貨に関係なく使える投資手法です。
重要なのは後半の「コスト平均法」
ドルコスト平均法とは?
「コスト平均法」とは、株式などの投資をする際に、一括購入せずに、分割して購入する手法です。
コスト平均法は、つみたてNISAでなじみのある、「定額投資」つまり、投資資金を分割して定額を定期的に継続して投資する手法です。
コスト平均法とは、
一定額を定期的に継続して投資する手法
なぜ、一括投資せずに、ちまちま一定額を定期的に投資するのでしょう?
例えば、コロナショックで株は大暴落しました。
もし、コロナショック直前に一括で購入していたら、目も当てられません!
投資資金を分割して、購入時期を分散させるということで、そういった変動リスクを軽減することができます。
念のため補足しておくと、一括投資が悪いわけではありません。一括投資にはメリットもあります。それは第3話で述べたいと思います。
ドルコスト平均法、超図解
ここまでの説明で、ドルコスト平均法は、一定額を定期的に購入する方法で、なんでか知らんけどお得に購入できる方法のようだ、といった感じで、なんとなくわかったような、わからないような感じだと思います。
ここでは、より深く理解するために、実際の数字で具体的に説明していきます。
例として、とある投資信託を、3つの投資手法で購入する場合を比較することで、ドルコスト平均法をより深く理解してみましょう。
以下は、比較の前提です。
投資可能な資金は6万円とします。
そして、とある投資信託を3つの異なる手法で購入してみます。話を簡単にするため、手数料や金利は考慮しないことにします。
比較する手法(購入ルール)は以下の3つです。
- 毎月定額購入(毎月、1万円分購入)←ドルコスト平均法
- 毎月定量購入(毎月、一定口数購入)
- 初月一括購入(初月に一括購入)
毎月定額購入は、基準価格にかかわらず、毎月1万円分、6か月間購入します。
毎月定量購入は、基準価格にかかわらず、毎月10口分、6か月間購入します。
初月一括購入は、初月のみ、投資予算6万円で60口分を一括購入します。
ここでは、以下のグラフのような値動きをする投資信託を6か月間、上記3つの手法で購入する場合を考えてみましょう。
初月の基準価格は1,000円と仮定します。
そして基準価格が上がったり下がったりしながら、6か月目には1,000円になったと仮定します。
つまり、初月度と最終月(6か月後)の基準価格は同じ1,000円です。
そして、6か月の平均基準価格も1,000円です。
さて、ここでクイズです。
この場合、定額購入、定量購入、一括購入のうち、お得なのはどれでしょう?
A:定額購入(流れ的にコレでしょ)
B:定量購入(いや、ひっかけ問題でしょ)
C:一括購入(チマチマ買ってんじゃないわよ)
D:どれも同じ(騙されないわよ!)
はい、答えは決まりましたか?
では、答え合わせです。
定額購入の場合
まず、定額購入した6か月間の購入推移表です。毎月1万円ずつ、6か月間購入した結果、合計の購入金額は、赤枠のとおり6万円となりました。
毎月1万円分買うのでわかりやすいね
定量購入の場合
続いて、定量購入した6か月間の購入推移表です。毎月10口ずつ、6か月間購入した結果、合計の購入金額は、赤枠のとおり6万円となりました。
毎月10口分買うのでわかりやすいね
一括購入の場合
最後は一括購入した6か月間の購入推移表です。初月度に、まとめて6万円分一括購入した結果、当然ながら、合計の購入金額は赤枠のとおり6万円となりました。
一括はシンプルでわかりやすいね
さて、どの購入方法が最もお得だったのでしょう?
3つの購入方法は、結局どれも合計購入額は6万円で同じでした。
ということは正解はD(どれも同じ)?
いいえ、違います。
購入額の合計はどれも6万円でした。では、購入できた投資信託の口数に着目してみましょう。
定額購入の場合
まず定額購入した場合、合計6万円で65.8口購入できました。
65.8口って中途半端ね
定量購入の場合
次に定量購入した場合、合計6万円で60口購入できました。
10口×6=60口ね
一括購入の場合
最後に一括購入した場合、合計6万円で60口購入できました。
60口×1=60口ね
はい、もうわかりましたね。購入金額は、どれも同じでしたが、定額購入の場合は、定量購入や一括購入の場合よりも、たくさんの「口数」を購入できていますね。
この記事の冒頭で、ドルコスト平均法は、「安い時にたくさん買う」を目指した投資戦略、と説明しました。
ドルコスト平均法、すなわち定額購入は、結果的に、安い時に沢山買って(まとめ買い)、高い時にはあまり買わない(買い控える)、という普段、主婦がやっていることを実践してくれる方法なのです。
では、ドルコスト平均法がベストなのか? と聞かれると、答えはNoです。
えっ、こんなに推しといて、まさかのNo
ベストなのは、一番安い時にまとめ買いすることです。
今回は上がったり下がったりする相場を例にとりましたが、例えば、一本調子で単調増加していく相場なら、最初が一番安いので、最初にまとめ買いするのがベストです。
でも、相場が読めない人は、いつ安くていつ高いか、後になってみないとわかりません。
また、そもそも最初にまとまった資金を用意できるという方はそんなにいないんじゃないでしょうか。
ドルコスト平均法は、そのような私達投資の素人の強い味方です。
ベストではなくベターということね
以上、ドルコスト平均法について具体的に解説してみました。いかがでしたでしょうか?
ドルコスト平均法の優れているところは、株式投資に詳しくない人でも、誰でもできるということです。
そして誰でもできるにもかかわらず、資産形成のとても強力な武器になるということです。
更に、その手間もかからないという優れものです。
デメリットはないのかな?
デメリットももちろんあります。
この第1話では、まずドルコスト平均法とはどんなものかについて解説しました。そして、そのメリットも具体的に示しました。
次回の第2話では、ドルコスト平均法をどう活用すればよいのか、どういった投資戦略と相性が良いのか、紹介したいと思います。
というのは、ドルコスト平均法は、どんな投資戦略にも万能というわけではないからです。
そして第3話では、ドルコスト平均法のデメリットについてもきっちりと触れていきます。
おたのしみに~
本記事のポイント
最後に本記事のポイントのまとめです。
投資で儲けるためには、安い時に買う、高い時に売る
ドルコスト平均法は、投資資金を分割して定額を定期的に継続して投資する手法
ドルコスト平均法は、安い時にまとめ買いし、高い時に買い控えしてくれる
投資なんて、なんか敷居高いなぁ、思ったら読んでみるとよい本。マンガと侮るなかれ。わかりやすいです。勉強になります。