トラリピのシミュレーション機能が期待はずれだった・・・
ココがトラリピを始めてから1年半が経ちました。
トラリピ とは、FXの自動売買手法です。
一度取引ルールを設定してしまえば、設定したルールに従って24時間、自動でココの代わりにトレードしてくれます。
ココは以下の5通貨ペアに分散投資し、ロスカットされないようにかなりリスクを抑えた設定にしています。
CAD/JPY 資金100万円
NZD/USD 資金100万円
EUR/JPY 資金120万円
AUD/JPY 資金50万円
AUD/USD 資金100万円
トラリピユーザーが気になるのは、暴落した場合、ロスカットされるかどうかだですよね。
ココは、トラリピの稼働開始時に、予め強制ロスカットレートを把握してから、トラリピを稼働させています。しかし、複数通貨ペアで運用していると、為替が暴落した時に、実際にどこまで耐えられるのかを把握するのは簡単ではありません。
ココは複数通貨でリスク分散させる派です
トラリピは9/28から新たな通貨ペアが加わります。AUD/NZDはトラリピ向けの通貨ペアです。
大当たり-🎉🎉🎉
— ココ@アラフィフ主婦投資家 (@shufuinvest) September 16, 2020
4月までスワップゼロはありがたい😊
でもその後は売り・買いマイナスか、、、🤔
スプレッド見てから決めよう。
ちな、今稼働中のマネパAUD/NZDのスプレッドは6pips https://t.co/h9JizEch5H pic.twitter.com/JXLNzRZE76
ますます、複数追加ペアでの運用する人が増えてくるのではないでしょうか。
そこで、シミュレーション機能です。トラリピにはシミュレーション機能があるのです。
しかし、実際にココがこのシミュレーション機能を使ってみて、残念ながら、正直なところ「使い物にならない」と思いました。
ココが使いこなせていないだけで、便利だよ!使い物になるよ!って方がいらっしゃいましたら、ぜひともご教示頂きたいと思い、ココがなぜ「使い物にならない」と思ったのかを述べたいと思います。
トラリピのシミュレーション機能
トラリピのシミュレーションは、ログイン後のメニュー画面からたどり着けます。
ツールのところにある「シミュレーション」をクリックして下さい。
すると、以下のような画面が表示されます。スマホでは対応していないようです。PCで見て下さい。
シミュレーションとはいえ、自分の実際の口座状況が反映され、現在のポジションがどうなるかをシミュレーションすることができます。
左側に、シミュレーションができることが表示されています。
執筆時点では、現在のポジションに対して、以下のシミュレーションができます。
- レートを変更してみる
- 入金・出金してみる
- ポジションを持ってみる
- ポジションを決済してみる
- 日数を進めてみる
シミュレーションの注意事項
シミュレーションは、何でもできる万能ツールではありません、できること、できないことがあります。ポチっと押して出てきたシミュレーション結果を盲信するのではなく、どんな前提の計算なのか、何が考慮されていて、何が考慮されていないのかを、ちゃんと理解した上で使いましょう。
注意事項は、シミュレーション画面の左下に、赤字で表示されています。
今回の目的は、為替レート暴落または暴騰した場合のシミュレーションです。その時に、抑えておくべきことは以下の3つです。
- 新規注文:成立条件を満たすとポジションを持つ
- 決済注文:考慮されない(ポジションを持ち続ける)
- ドルストレートの通貨の円評価するために、 USD/JPYの ASKレート を入力する必要がある(USD/JPYを保有していなくても)
1と3は分かります。2が気になるものの、このまま進めます。
シミュレーション:レートを変更してみる
一番気になるのは、やっぱりレートが変わった時にどうなるかですよね。「レートを変更してみる」をクリックします。
すると、このような画面が表示されます。
最初は、現在のレートが表示されています。右側の変更後に、自分が知りたいレートに変更して、最後に「登録する」をクリックします。
一例として、ココのトラリピ設定のレンジの端っこを入力してみます。全ての通貨ペアが、最悪の動きをした場合を想定してみます。
例えば、EUR/JPYは売りトラリピしか稼働させていないので、売りレンジの上端である140円を入力しました。
AUD/JPYはハーフ&ハーフですが、現在買いレンジなので、買いレンジ下限の62.6円を入力、以下同様に、このように入力し、最後に「登録する」をポチっと押します。
実際には、この設定のように、クロス円のEUR/JPYが暴騰してレンジ上限に達し、同時に、同じくクロス円のAUD/JPYが反対に暴落してレンジ下限に達するというようなことは、まず起こらないと思っています。
同様に、AUD/USDが暴騰するのにAUD/JPYが暴落することも通常は起こらないと思っています。
でも、シミュレーションの便利なところは、[もし]の世界を仮想して計算できることです。
もしもボックス?
(分かる人はアラフォー以上確定)
シミュレーション結果の見かた
「レートを変更してみる」のダイヤログ画面の[登録する]をクリックすると、すぐにシミュレーション結果が表示されます。以下は、上述の設定をした場合のシミュレーション結果です。
2行表示されますが、上段がシミュレーション前、下段がシミュレーション後です。
上段は、現在の状況で証拠金維持率が2,102%です。そして、ありえないかもしれませんが、全ての通貨ペアが最悪方向に一気に動いて、レンジ端まで達した場合のシミュレーション結果が下段です。証拠金維持率は354%でした。
生き残ってる!
なお、上のシミュレーション設定では、USD/JPYのASKは触りませんでしたが、これぐらいドラスティックに為替が動いたらUSD/JPYだって動くはずです。
そこで、上の条件で、更にUSD/JPYが90円もしくは150円になった場合も計算してみましたが、その場合の証拠金維持率はそれぞれ、402%、253%でした。
マダしぶとく生き残ってる!
ココのトラリピ設定は、低リスクを売りにしているだけあって、こんなありえないレートになった時でも ロスカットされないようです。
大暴落をシミュレーションしてみる
と、ここまでが、具体的な使い方の一例ですが、もう少し、現実的に起こり得る暴落が起きた場合をシミュレーションしたいところです。
具体的には、円高にふれる暴落、円安にふれる暴騰です。コロナショックの時は、ドルストレートペアも含め、全ての稼働通貨ペアが暴落したのは記憶に新しいです。
なので、保有通貨ペアのレートがガツンと下がった場合をシミュレートしてみましょう。これでどうでしょう!
EUR/JPYが80円、AUD/JPYが50円、AUD/USDが0.4ドル、NZD/USDが0.39ドル、CAD/JPYが50円。
実際にこんなことにはなってほしくないですが・・・
で、そのシミュレーション結果は・・・
証拠金維持率1,388%?
シミュレーションの問題点
やったー!ではないですよ。これ、明らかに現実に即していない結果です。
ここでもう一度注意事項を確認してみましょう。
決済注文:考慮されない、つまり執行されないので、いつまでもポジションを持ち続けるという前提のシミュレーションであるということです。
これの何が問題なの?と思われる方、説明します。
上図のように、全ての保有ペアが大暴落した設定でシミュレーションした場合、CAD/JPYやAUD/JPYのような、買いトラリピの通貨ペアは、現在のレートより下側の全てのポジションを指値通りに新規約定するようにシミュレーションされます。そしてそれが含み損として正しく計算されます。
ここまでは問題ないね
次に、ココのEUR/JPYは売りトラリピのみやっています。現在売りレンジなのでいくつかのポジションを保有しています。
上の例では、EUR/JPYもCAD/JPYやAUD/JPYと同じように暴落させた設定にしました。通貨ペアによってその影響の大きさはマチマチですが、通常暴落する場合は、クロス円は同じ方向に動くので。
ここで、現時点のシミュレーション機能では、決済注文が考慮されないことを思い出してください。
大暴落した時、売りレンジで保有中のポジションはどうなっているでしょう?
実は、このシミュレーションでは、全てのポジションをガチホしたままという前提なので、含み益が爆益状態となってしまいます。
でもトラリピの場合、利益幅を予め設定しているのだから、窓開けや決済トレール機能を考慮しない場合、売りレンジの下端を超えた段階で、全てのポジションは決済されているはずです。
つまり、レンジ下端まで下がるまでの間に、保有中のポジションはどんどん決済されていき、利益が積み重なるように動くのが通常のトラリピの挙動です。
そして、レンジ下端より更に為替レートがいくら下がったとしても、ポジションが無いので利益にはなりません。(ポジションゼロの機会損失状態)
なのに、現在のシミュレーションの前提は、そういったことを想定してくれていません。トラリピのシミュレーション機能なのに!
よって、先程シミュレーションではじき出された証拠金維持率1,388%は、実際のトラリピ動作では起こり得ない、EUR/JPYの含み益が含まれています。
ぬか喜びじゃん
上では、暴落時の説明ですが、超円安暴騰時も正しくシミュレーションできません。
例えば、ココのAUD/JPYとCAD/JPYは現在買いレンジ中なので、買いポジションを保有しています。
これが、売りレンジ上端すら振り切れてしまうぐらいの為替レートが跳ね上がった場合のシミュレーションをした場合、売りレンジの新規ポジションは全て成立し、含み損となるところまでは正しく計算されます。
しかし、このシミュレーションでは、既に保有中の買いポジションが、売りレンジをはみ出した状態でもまだ保有された状態となってしまい、実際には生じるはずのない含み益が計上されてしまうのです。
ということで、現状のシミュレーションでは、複数通貨ペア運用や、ハーフ&ハーフまたは両建ての設定している人には、あまり使えないシミュレーションだというのが、ココの見解です。
もし、使い方の工夫で、より現実に即したシミュレーションができるという方がいたら、是非とも教えて下さい。
あくまでシミュレーションなので、実際の口座と差異が生じるのは仕方がないことです。注意事項にもその旨記載されています。
いくら注意事項が書かれているとはいえ、決済を考慮しないというのは、シミュレーションとしての出来栄えが低すぎるとココは思います。
だって、トラリピの場合、トラリピ設定時点で、新規約定レートも決済約定レートも全て確定しています。窓開けと決済トレールを無視すれば、全ての決済状態はシミュレーションできるはずです。内部計算はそんなに難しくないはずなのに、なぜそれを怠るのでしょう。
MT4を使い、ダミーの為替データを準備すればシミュレーションはできるし、エクセルでも作ろうと思えば作れます。
でも、トラリピのいいところ(売り)は、手軽にできる(投資に時間をかけない)ところです。ココはそこが気に入っているので、他社よりスワップやスプレッドが多少不利でも使っています。
なので、このシミュレーション機能も、早急にバージョンアップすることを期待したいです。全トラリピ愛好家のためにも。
マネスクさん、よろしくね
コロナショックにも耐え、その後も順調に利益を伸ばしてくれているトラリピ、ホント優秀です。
これは、マネースクエアのHPから引用してきたものですが、ココは1年半実際にトラリピを稼働させてきた実績を元に、この3つはたしかにうなずけるところです。
だからこそ、シミュレーション機能も充実して欲しいね
口座開設は無料